みなさん、こんにちは。株式会社火燵です。
今回は「Insta360 ONE RS 1-Inch 360 Editionのメリットとデメリット」について解説していきます。
今回から、このカメラの検証動画をいくつか作っていきます。この記事では、特に初心者の方にわかりやすく解説していきますので、是非最後までご覧ください。
はじめに
私自身、このカメラを購入してから、いろいろな使い方を試してみました。
使ってみた感想としては、初心者の方でこれからファーストカメラを購入する場合や、動画制作の経験が少ない方には、このカメラはおすすめしません。
理由はいろいろあるので、良い点と悪い点の2つに分けてご紹介していきます。
悪い点
1.編集がとても難しい
私は映像編集歴10年以上、Premiere Proも10数年は使っています。それでも、1時間ぐらいでようやくカメラとアプリの使い方を理解しました。
アプリ自体に自動編集機能などもいくつか用意されており、VRカメラの新しい可能性を見出すための挑戦をしているのが、企業姿勢として伝わってきました。しかし編集が初めてで、キーフレームを打ったことない方が、このアプリで撮影した素材の中から使いたいところだけを抽出するのは、かなり至難の技だと思います。
また、公式サイトにある日本語の編集・撮影マニュアルは割と雑になっており、露出関係の分からない単語を調べても出ませんでした。
なので、私が思うこのカメラを購入する条件としては、下記の3つです。
- 動画撮影・編集の経験がある。
- VRカメラを過去に扱ったことがある。
- VRカメラで撮影した素材を編集したことがある。
こういった条件に当てはまっていないと、このカメラを使って作品を作るのは難しいと思いました。
2.カメラの値段が高い
「日常的に映像を撮影してすぐに編集・アップロードする」という現代人の動画の活用に関していうと、10万円を超えるカメラは初心者の方にとって少し高い、という印象になります。
VRが撮影でき、空間記録に関してほとんど撮れないところはありません。しかし、編集の手間が発生してしまうことを考えると、2カメとして使用する方法もありだと思います。
ただこれからの時代、VRで必要なとこだけピックアップして切り取るというのは、発想として良いと思うので、私はかなり可能性を感じています。
しかし値段が高い割に広角だけになるので、映像制作概念上撮れるカットが少ないということを考えると、ファーストカメラには少し向かないという印象です。
良い点
今までこのカメラを散々否定してきましたが、それらを打ち消すくらい良いところを説明します。
1.センサーサイズが1-Inch
現在、このようなセンサーサイズが1-InchのVRカメラを発売しているのは、私が知ってる限りRICOHさんのTHETAのみです。
このカメラはLEICAさんのレンズが使われていて、F値が2.2なのでかなり明るくそして綺麗です。また手振れ補正もしっかりしているので、アクションカムとしても使えます。
GoPro MAXと比較される方もいますが、現時点(2022年6月)でGoPro10のセンサーサイズは1/2.3-Inch、iPhone13ProMAXで1/1.65-Inchになるため、GoPro10やiPhoneの13ProMAXよりも素子が大きいです。
カメラ | センサーサイズ |
---|---|
Insta360 ONE RS 1-Inch | 1 Inch |
GoPro10 | 1/2.3 Inch |
iPhone13 Pro MAX | 1/1.65 Inch |
色の表現は各メーカーにもよると思いますが、センサーがとにかく大きいため映像表現が美しいです。手ぶれ補正はGoPro10の方が優れている印象ですが、レンズはLEICAさんと共同開発ということで、かなり使えるように開発されています。
2.アクションカムとしても使える
公式としては「360度VRカメラ」という位置付けですが、アクションカムとしても使えると思います。従来難しかったタイムラプスやタイムワープといった、ラプス表現を使った映像表現がとても美しいです。
特定の建物をトラッキングした上で、アクションカムのように動かす機能をアプリで簡単に行えるのは、このカメラの1つの良さです。
映像作品はいろいろなカメラでいろいろなカットを撮って、それを繋ぎ合わせるという側面があります。
そのため、初心者の方にはこれ1台で、すべての映像表現をするのはおすすめしません。ですが、映像表現の幅が広がるのは、このカメラのメリットだと思います。
実際の撮影
撮影で用意するもの
記録動画を撮影する時の装備は、以下の5点になります。
- カメラ本体
- ブラケット(マイクを固定するもの)
- マイクアダプター(ワイヤレスマイクとカメラを接続するもの)
- ワイヤレスマイク(RODE Wireless GOII)
- 自撮り棒
ブラケットとマイクアダプターは別売りになっており、今回ワイヤレスマイクはRODEのWireless GOIIを使っています。
記録動画の撮影例
基本的に記録動画は、自撮り棒を伸ばして撮影する形になります。YouTuberやテレビで使う場合は、カメラを自分の顔の前に構えて、顔も前側も写るようにします。
また自撮り棒を伸ばせば、全景が撮れます。
360度どこでも起こったことを全て記録できるので、カメラの台数を気にする必要はありません。そこが1つ便利なポイントです。
アクションカムとしての撮影例
アクションカムとしての撮影例で、FPVモードというのがあります。竹やりみたいな感じで棒を持って走ると、ミニドローンを飛ばしているような表現ができます。
動きのある映像を撮影するのも、特徴のひとつになっています。記録動画と動きのある動画を、いかにうまく撮影していくのかが、このカメラの使いこなしどころでしょう。
まとめ
今回は、Insta360 ONE RS 1-Inch 360 Editionの初心者向けの解説をしました。
ファーストカメラとしての購入を検討している方や、編集でキーフレームなど打ったことない方には正直おすすめしません。しかし、センサーが1-Inchであるということ、手ぶれ補正がしっかりしており、従来のカメラにはない美しい映像を最低限の手ぶれで撮影できる、という良い点があります。
以上、初心者の方は良い意味で悩むカメラだと思いますが、不明点があれば連絡ください。