【Premiere Pro】「はいよろこんで」風のエフェクトを再現しよう!

今回は、こっちのけんとさん(@SuppokoPeppoko)の「はいよろこんで」に使用されているMV(作:かねひさ和哉さん(‪@kane_hisa))のような、アナログテレビ風のエフェクトをPremiere Proで再現してみましょう。

全編の解説をすると長くなってしまうため、あくまでこの世界観を表現するエフェクトのチュートリアルになります。
該当のシーンは、1:05付近の部分です。

数秒間、黄色い星が脈を打つようなアニメーションのところです。ここを中心に、世界観をどういう風にエフェクトで表現するか解説していきます。

こういった表現はPremiere Proのみで、デフォルトのエフェクトだけでも再現できます。
オリジナル作品の方はかなり細かいエフェクトパラメーター設定を行っているようですが、今回はざっくりとそれっぽく見せるためのチュートリアルとなります。

使用するエフェクト

重要なエフェクトはこちらです。

  1. ノイズ
    • グレインノイズ
    • フィルムノイズ
  2. ブラー
  3. 二重に映る表現(ブラウン管時代のTV)

ノイズ

ノイズはグレインノイズフィルムノイズの二種類をかけます。

ノイズありとなし 比較
ノイズエフェクト 有無の比較

グレインノイズはPremiere Proのデフォルトエフェクトになりますが、フィルムノイズはPremiere Proにはありません。こちらは、素材集からダウンロードしたものを加工して使用します。
グレインノイズだけでも雰囲気近づけることができます。もしフィルムノイズが難しい方は、グレインノイズを少しキツめにかけてもいいかもしれません。

ブラー

ブラウン管テレビの表現をしているシーンが見受けられます。
こういった表現はエフェクトとして、デフォルトにあるブラーを使用します。

ブラーありとなし 比較
ブラー 有無の比較

二重に映る表現

二重に映る表現がされています。こちらもブラウン管テレビの特徴です。
不透明度を調整して、位置をずらすことで対応できます。

二重に映る表現のありとなし比較
二重の表現 有無の比較

Premiere Proで実際に作成してみる

それでは、実際の画面を表示しながら解説をしていきます。

「はいよろんで」というシーケンスが完成版になります。その他にも、作品を構成するレイヤーなどがあります。

Premiere Pro 完成版 シーケンス

背景

背景のレイヤーはIllustratorで作りました。Premiere Proで作っても問題はございません。

作成手順としては「はいよろこんで」のスクリーンショットを撮って、背景色をスポイトで抽出しました。それを1920×1080のカンバスサイズを作り、Premiere Proに読み込ませています。これ自体にはエフェクトはかけていません。

星は、スケールアップのアニメーションをネスト(入れ子)にしています。
そのため、二重にネストしている形となり、三重の構造になっています。

1つ目のネストは、3つのレイヤーを作っています。この2つのレイヤーで背景を読み込むと、薄く2重に見えます。それを「星1つ スケール調整用」というもので作っています。

Premiere Pro 「星1つ スケール調整用」クリップの構造

これらを3つまとめてネスト化したものが、「星」というクリップです。ここに追加したら、スケールや位置、角度をそれぞれ調整しています。それをマスターのシーケンスに読み込ませています。

エフェクトは「星1つ スケール調整用」の方でキーフレームアニメーションを打ち、ラフエッジをかけてエッジを少し動かしています。

パラメーターとしては、縁、展開、複雑度しかいじっていません。その状態で、ブラーをかけています。個別にパラメーターを細かく変えています。

Premiere Pro 「星」クリップのエフェクト パラメーター

さらに星をキツめにぼかすため、調整レイヤーでブラーをかけるように整えております。

テキスト

「株式会社火燵です。よろしく!」という文章があります。
こちらは読ませたいので、ブラーフィルターをかけた調整レイヤーの上に配置しています。

ノイズ

ノイズを右方向に5%、カラーノイズを外した状態で適用しています。これで文字と星、背景のレイヤーにノイズが追加されています。

「FC102.mp4」というのはファイル番号で、フィルムノイズになります。

フィルムノイズ例
フィルムノイズの例

フィルムノイズにもノイズを適用して、乗算を付け加えています。

両サイドの黒い縁

両サイドの黒ふちを非表示にすると、全体が見えてしまいます。

Premiere Proの「表示」で「定規を表示」し、そこからガイドを出して、これを元に黒縁を貼っています。

完成版

こちらが完成版になります。

真ん中の部分は、わざわざオリジナルに寄せてキャラクターを作る必要もないでしょう。皆さんの方で写真や映像などを配置していくと、マージュ作品が作れます。いろいろと試してみてください。

チュートリアルサンプルデータの配布

配布ファイルのディレクトリ構造

ファイルはZipで圧縮しており、中身はこのような構成となっています。

premiere-pro-tutorial-hai-yorokonde.zip

プロジェクトファイル

画像

星.ai

背景.ai

完成動画

はいよろこんで風.mp4

「プロジェクトファイル」のフォルダにある「はいよころんで風.prproj」が編集用ファイルです。

プロジェクト:はいよころんで風.prprojの構成

プロジェクトファイル「はいよころんで風.prproj」内のアイテムは、下記の構成です。

はいよころんで風.prproj プロジェクトパネル

画像

星.ai

背景.ai

エフェクト

BV(横の黒フチ)

調整レイヤー

フィルムバーン.mp4
※フィルムノイズファイル

ネスト

サイドの黒フチ

テキスト(火燵です。)

星1つ スケール調整用

「はいよろこんで風」が、完成形のシーケンスとなります。

使用しているフォント

「株式会社火燵です。よろしく!」という文字に使用しているフォントは、凸版文久見出しゴシック StdNです。
フォントがパソコンにない場合は、下記のエラーが表示されます。

エラーが表示されたら、Creative Cloudのユーザーであれば、Adobe Fontsからダウンロードください。
凸版文久見出しゴシック StdN | Adobe Fonts
Creative Cloudのユーザーではない方でフォントを購入するのが難しい場合、エラー画面では一旦「OK」を押して、文字を別のフォントに変更しましょう。

紹介していたフィルムノイズについて

記事で紹介したフィルムノイズファイル(フィルムバーン.mp4に当たる)は、著作権の関係上削除しています。
そのため「はいよころんで風.prproj」を開いたときのプレビュー画面は、このような表示になります。

そのまま書き出すと完成動画とは違った仕上がりになりますのでご注意ください。
必要に合わせてフィルムノイズを作っていただくか、素材を探してダウンロードするか、Premiere Proデフォルトフィルタのノイズのみでご対応ください。

フィルムノイズファイルを差し替える方法

「プロジェクトパネル」の「フィルムバーン.mp4」で右クリックし、「ファッテージを置き換え」を選択します。
差し替えるファイルを選択します。
置き換えるファイルを選択

もしファイルを選択したあと、下記のエラーメッセージが表示されたら、「OK」を選択しましょう。

これで差し替え完了です。

サンプルファイルはこちら!
Zipファイル(11.3MB)

ぜひいろいろと触って、Premiere Proの練習をしてみてください。

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