YouTubeチャンネル運営者必見!世界一のYouTuber「ミスタービースト」のYouTube成功術

実は8月にYouTube業界では大きな事件が起こりました。
世界一のYouTuber「ミスタービースト」(@MrBeast)のYouTube制作チームで使用されている内部ガイドラインとして、ソーシャルメディアで公開され、大きな話題を呼んでいます。

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リークされたMrBeastの「制作ガイドライン」は、2024年8月13日に人気YouTuberのロザンナ・パンシーノによって公開されました。このガイドラインは、元MrBeastの社員から提供されたもので、制作現場での働き方や戦略について詳細に記されており、大きな話題となりました。 

この文書は2022年に作成されたと考えられており、MrBeastの動画制作方法、スタッフに求められる姿勢、そして動画をバイラルにするための具体的な手法が記載されています。たとえば、視聴者の注意を引き続けるための最初の1分の重要性や、視聴維持率を落とさないようにコンテンツを組み込む方法、クリック率(CTR)、平均視聴時間(AVD)、平均視聴割合(AVP)といった主要な指標をどのように追跡し、改善するかについても触れられています。

文章は英語で書かれており長いため、YouTubeマーケティング初心者の人にも分かるように、最も重要なところをピックアップして解説します。

この記事で解説している、YouTube動画の分析手法をまとめた講座をオンデマンドで行っています。
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序文 はじめに

ページ数で言うと1~5ページ部分です。

まず序文では、「最高のYouTube動画を作りましょう」ということが書かれています。最高に面白い動画、最高に美しい、最高に高品質な動画ということではなく、最高のYouTube動画を作るのが目的です、と書かれています。詳しく解説されていませんが、おそらく「YouTube上で視聴回数やチャンネル登録が最高な動画」のことではないかと思われます。

この文章には、最高のYouTube動画を作るために何をするのかが書かれています。このことについて、要点をついて解説していきます。

次に、「私たちはハリウッド映画を作るんじゃない、5年後にYouTubeで世界一になるために動画を作るんだ!」とあります。
ハリウッドのように年に1、2回映像を作るのではなく、毎週1本の動画作っていき、成功の確率を高めるために改善をする、とも書かれています。

また、働いた時間の長さは関係なく、5人で1週間かかったことがある方が1人で30分でできたという例がありました。なので、合理的に仕事をすることが重要であり常に求められる、といったことが書かれています。

クリエイターをランク分けすると、ABCに分かれることになり、Aプレイヤーはとにかく執念深くて失敗から学べる人です。動画制作チームには、Aプレイヤーしか入らないそうです。Aプレイヤーとは、知的で言い訳をしない人、YouTubeの可能性を信じる人、会社の価値を理解する人、自らの仕事において世界で最高のことができる人です(そんな人がいたら自分で起業するとは思いますけどね)。Aプレイヤーになるためには、訓練が必要だと書かれてます。

このように、序文は精神論が書かれる部分になります。

ミスタービーストは、世界一のYouTube制作会社といっても良いですよね。その彼らのマニュアルが精神論から入りますから、やはり心構えが大事だというのが理解できます。

1章 YouTube動画を広める要因とは?

一章は5~10ページです。
ここから少しずつ分析面、技術面での話が入ってきます。

彼らの動画の冒頭部分では、照明が良い場合は離脱が少なくなると書かれています。笑い話のように書かれていますが、結構重要な部分で、これが条件制御的に動画を分析して改善するということです。照明なしとありで分析した時に、後者の方がよく見られた、ということです。

照明ありとなし 比較分析イメージ

データ分析ができるように動画を作り、実際にどの方法が最善か、分析する工程があるということなんですね。最高のYouTube動画のための研究が必要で、20,000から30,000時間そういった研究をしてYouTubeを改善していった、ということが書かれてます。

また、YouTubeをする人が覚えておいた方が良い3つの指標が紹介されています!

  1. インプレッションのクリック率
  2. 平均視聴時間
  3. 視聴者維持率

この3つの指標については、YouTubeの公式ヘルプに掲載されており、誰でも見られます。

そのため、特別にミスタービーストだけが知ってることではなく、毎日YouTubeチャンネルの分析してる人からすると、当たり前のことでもあるんですね。ただ、ミスタービーストが指標について、どのように考えているのかが非常に重要になります。

インプレッションのクリック率を高めるために

インプレッションのクリック率に関しては、例えば「バナナが好きじゃない」というタイトルより「バナナは地球上で最悪の食べ物だ」の方がパフォーマンスが良いでしょう。とにかく視聴者の興味を引くために最大のパフォーマンスを求める改善が必要がある、というお話です。

平均視聴時間を伸ばすには

次は平均視聴時間のことについて解説をしてくれています。 

世界の動画の平均尺は13分です。その13分の動画を作る際に、どのような時間配分で制作すると平均視聴時間が最大化されるか、ということも書いてくれています。

ミスタービートの経験からは、最初の1分の離脱率が最も高いとのことです。そのため、最初の1分の離脱を必死に防ぎましょう、ということが書かれてます。
また、最初の1分では視聴者にこれから何を見せるのかを伝えるのが良い! ということも経験的な事実として書かれてます。

次の1分から3分までは視聴者に「何が起こるか」を説明するのではなく、「実際に見せる」部分です。最初の1分で設定した期待に基づいて、次の段階では実行(execution)に移行し、話の流れを進めます。この部分では「プロジェクトやチャレンジが進行している」ことを視覚的に示し、視聴者がその先を期待できるように構成することが重要です。

次の3~6分の段階では、視聴者の興味をさらに引きつけ、動画のストーリーやチャレンジの中心部分を盛り上げる内容を含めます。例えば、チャレンジがさらに激しくなったり、予想外の展開を挟むことで、視聴者の興奮を持続させます。特に「3分間の再エンゲージメントポイント(3-Minute Re-engagement)」と呼ばれる工夫を用いて、視聴者に新たな興味を持たせる重要なコンテンツを挿入します。これにより、中だるみを防ぎ、最後まで見てもらえる可能性を高めます。

6分以降の「バックハーフコンテンツ」では、視聴者がすでにストーリーに没入している段階であり、テンポを少し落としても問題ない部分です。この段階では、ストーリーの進行に必要な詳しい説明や、チャレンジの結果を紹介する時間を設けることが許容されます。視聴者が最後まで動画を見続けることを目的として、エンディングに向けたオチや報酬を提示することで、動画全体の満足度を高めます

このように、大体13分位の動画の時間軸をもとに、物語の起承転結をどのように考えるかを解説してくれてます。 

動画構成イメージ
最初の1分

何が起こるのか予告し、視聴者に見続けたいと思わせる。

1~3分

実際に見せる部分。プロジェクトやチャレンジが進行してることを伝える部分。

3~6分

3分間の再エンゲージメントと呼ばれる工夫を用いて、物語の中心部分で、盛り上げる部分になる。

6分~

バックハーフコンテンツ。ストーリの進行上必要な詳細やチャレンジの結果を紹介する部分になる。

またミスタービーストは、制作チームに「現在自分が動画の何分くらいのところを制作しているか?」というのを意識させるようにしています。現在作っているところが、前述の時間区切りのどの部分で、どのように感情を訴求をするかのバランス具合を測っているのかもしれません。動画制作の現場では、かなり重要なことです。何を目的にして、何を作っているか、一人一人が理解することでチームが1つになる、ということだと思います。

視聴者維持率を保つために

次に、視聴者維持率について触れています。
ここについて、ミスタービーストはとにかく視聴者にできるだけ長く見てもらうことを考えなさいと書いています。
インプレッションのクリック率や平均視聴時間が指標としては重要ですが、 この2つだけを数値的に良くしても、動画がまあまあな結果に終わることがあるそうです。バズるには、この視聴者維持率が重要とのことです。
視聴者維持率を良くするために、他のクリエイターができないことをし、視聴者にとってミスタービーストたちが特別な存在になることが重要だと書かれています。

視聴者維持率の例
HOW TO SUCCEED IN MRBEAST PRODUCTION(P6)
How-To-Succeed-At-MrBeast-Production.pdf

インプレッションのクイック率と平均視聴時間、視聴者維持率が大切なのは、どのYouTubeコンサルタントもわかってるはずです。しかし、それを上げるためにどうすればいいのか、予算や人員の制限がある中だと難しいんですね。

彼のライバルは世界中のクリエイター全員です。世界一を走り続けることに関して、ミスタービーストなりのこだわりがあります。本書を通じて、このこだわりを理解してもらいたいという意図が、この第1章の冒頭で述べられています。非常に良いレポートだと感じます。まさに怪物級の執念で映像を良くしようとしているのが伝わってきますね。

2章 コンテンツの作成

2章(10~24ページ)については、冒頭で映像制作のシステムについて語ることはしないと書いています。映像制作の機材は毎年、新商品が出たり、AIが登場したりといろんなことがアップデートされています。そのシステムについて語るのは、あまり意味がない、とのことです。彼の主張は、あくまで技術面よりも精神的な部分で、創作性が大切であると分かります。

その上で、クリエイティブ、カメラ、編集どの担当分野であっても、YouTubeに対して夢中になることが最も重要と書かれています。ネットフリックスやHuluを止めて、とにかくYouTubeをたくさん見ましょう。YouTubeの他の動画をしっかり見て、最新のトレンドをチェックし、どうやったら目立つのか、オリジナリティーが出せるのか、とにかく工夫を重ねていきましょう、ということですね。

ロケハンについて

制作チームの情報共有についても触れています。チーム全体で情報を共有するには、写真を記録するだけでなく、現地調査ではビデオでしっかり撮ることが重要だとあります。誰もが撮影場所や撮影素材に対し、同じ情報を持たないと良いものができない、ということです。
いろんな角度で撮ることでビジュアルを確認でき、素材や撮影場所の意思決定ができます。
そのため、とにかく記録に残すために撮りましょう、といったことも書かれています。

工数管理

工程管理についても書かれています。とにかく責任感を持ちましょう、とのことです。業者に任せる時もあるでしょうが、そこも頻繁に連絡を取り合い、問題が起こってないか、ミスがないか、しっかりと確認してきましょう。
とにかくクリエイティブに作り込むときに丸投げはだめですよ、といったことが書かれています。

クリティカルコンポーネント(重要な要素)

クリティカルコンポーネント(重要な要素)という概念についても語っています。
例えば「島をプレゼントする」という企画では、その島自体がクリティカルコンポーネントになります。これがないと動画は成立しません。もしクリティカルコンポーネントが認識されたら、それを最優先に扱い、絶対に失敗しないように徹底的に管理する必要があります。問題が発生した場合はすぐに報告し、決して「運任せ」にしないことが重要です。
これは「破壊力のあるアイデア」といった側面があると思います。

クリエイティビティはお金を節約する

MrBeastは、予算内でより良い動画を制作するためには、「お金をかけること」ではなくクリエイティビティ」が重要であると強調しています。多くの人が「もっとお金を使えばジミーの期待に応えられる」と思い込んでいますが、実際にはお金を投じず、ユーモアや独創性を活用することで視聴者の関心を引くことが可能です。

お金とアイデアを天秤にかけてアイデアのほうに傾いているイメージ

例えば「20,000ドルの賞金」を「ドリトス1年分」に置き換えることで、より面白く、なおかつ費用も1,825ドルに抑えられました。クレーンの手配や賞品選び、ロケ地の選定など、あらゆるタスクにおいて創造性のあるものにしましょう。なんでもお金をかけたらいいということではなく、金が掛からない独創的な面白いことであればやってみようということです。

高次のコミュニケーションをとる

ジミー(MrBeast)は、重要な事項に関して「高次のコミュニケーション」(直接対話、電話、面談など)を使用し、メールやメッセージなどの低次の方法は避けるべきだと強調しています。内容が複雑であればあるほど、より直接的な手段でやり取りすることで、誤解を減らし、正確に伝えることができます。

◯ 電話・対面 △ メール・メッセージ

例として、トイレットペーパーが不足している程度のことならメッセージで十分ですが、撮影1週間前に重要な問題が発生した場合は、責任者と電話か直接会って話すことが求められます。また、相手が確認していない場合、書面でのコミュニケーションは成立していないとみなされる点にも注意が必要です。

時と場合によってコミュニケーションの手段が重要、とのことですね。

コンサルタントを使う

これは専門家に頼るという言い方に変換できますね。

コンサルタントは作業を効率化し、時間を大幅に節約する「チートコード」として活用されるべきだと強調しています。
例えば、世界最大のケーキを作る際には、前回同じプロジェクトを担当した専門家に相談することで、試行錯誤の手間を省き、最適な方法をすぐに見つけられます。

ジミーは、自身のYouTube経験を通じて、新人クリエイターを短期間で成長できるよう、コンサルタントを活用することを「神様からの贈り物」として推奨しています。どんなタスクでも、まずはコンサルタントを見つけることを最優先に考えるべきだとしています。

その他知っておくと良いこと

「スペクタクル」とは、MrBeastチャンネルならではの特別な動画のことです。すべての動画がスペクタクルである必要はなく、そういった動画制作が難しいことも理解しています。しかし、それこそが重要なポイントなのです。

この章のまとめ

割愛していますが、結構ストイックなことも書かれています。
一部英語圏のユーザーの間では炎上しているようですが、見方によっては「ブラック企業ではないか?」という疑念が浮かぶでしょう。しかし、ストイックでないと、世界一は目指せないと思います。

3章 クリエイティブ

3章は24~35ページです。

コンテンツの成功をどう測るか

第1章でも話したように、バズるために重要なのは、インプレッションのクリック率平均視聴時間視聴者維持率の3つです。動画の内容が良いかどうかを知りたければ、アップロード後の平均視聴時間(AVD)と視聴者維持率(AVP)を見れば一目瞭然です。これは、YouTubeアナリティクスで無料でチェックできます。人々がどれくらい長く視聴し、何パーセント見たかに基づいて、動画を楽しんだか明確にわかります。

ここでその例を示しましょう。下のグラフは、ほぼ同じ長さの2つの動画の視聴維持率のデータです。1つの動画は1億2,000万回再生され、もう1つは4,500万回再生されました。どちらが3倍の視聴回数を記録したか、これらの視聴維持率を見て考えてみてください。

HOW TO SUCCEED IN MRBEAST PRODUCTION(P28)
How-To-Succeed-At-MrBeast-Production.pdf

答えはBの画像です。この動画の視聴者は、もう一方よりも平均して1分38秒長く視聴しました! 当然、この動画が3倍の視聴回数を記録した理由は明らかです。YouTubeにとって、この動画の方が視聴者にずっと好まれたことがわかります!

動画を成功させるためには、AVDAVPをできるだけ高く保つ必要があります。視聴者が長く見れば見るほど、動画は成功します。だからこそ、1秒1秒のコンテンツにこだわります。
動画の最初で視聴者を引きつけ、素晴らしいストーリーに移行させ、退屈な瞬間をなくし、最後に満足のいく結末を迎える、これが理想です。

良いフォーマットは、動画の視聴維持率を高めるための重要な要素です。たとえば「最後に残った人が勝つ(last to leave)」シリーズでは、最後に賞金が誰に渡るのかを知りたい視聴者が、結末まで見続けてくれるので維持率が高まります。「階段式(Stair Stepping)」フォーマットでは、段階的に賭け金や規模を上げていくことで視聴者の関心を持続させ、最後のクライマックスに向けて期待感を高めることができます。他の例として、追いかけられるタイプのシリーズは、最終結果がどうなるかを知るために最後まで見てもらえる構成です。

つまり、視聴者維持率を高めるための企画が必要ということです。

ブランドディール(ブランドやスポンサーとのタイアップ)はコンテンツである

YouTubeをよく観ていると、誰かがブランドディール(ブランドやスポンサーとのタイアップ)を行うとき、退屈で台本を読んでいるように感じるでしょう。彼らは、ブランドディールに対して異なるアプローチを取っています。さらに、ブランドディールをコンテンツに統合し、視聴維持率を低下させず、コンバージョンを高めることを目指しています。

視聴者が動画を離れる瞬間を、正確に確認できると言いましたよね?
これは、従来の方法でブランドディールを行ったときの視聴維持率のグラフです。

従来スタイルのブランドディール動画の視聴者維持率グラフ
HOW TO SUCCEED IN MRBEAST PRODUCTION(P32)
How-To-Succeed-At-MrBeast-Production.pdf

ブランドディールがある部分が大きな穴になっているのがわかります。これは、視聴者がその部分をスキップし、動画を離れてしまったことを意味します。

こちらは、新しいスタイルのブランドディールを取り入れた視聴維持率のグラフです。

新しいスタイルのブランドディール動画の視聴者維持率グラフ
HOW TO SUCCEED IN MRBEAST PRODUCTION(P34)
How-To-Succeed-At-MrBeast-Production.pdf

減少の度合いがはるかに少なく、これなら動画を支えるために我慢できる範囲です。

ブランドディールはコンテンツです! そして、コンテンツとして扱うことで視聴維持率が向上します。私達はそれらをエンターテイメントにする必要があります。

動画に退屈な瞬間を一切作らないで! というメッセージでもあります。

まとめ

本動画では、世界的なYouTubeスターであるMrBeastの制作ガイドラインを基に、YouTube運用の秘訣について解説しました。
彼のチャンネルが成功する理由は、視聴者の心理を深く理解し、細部にまでこだわる制作プロセスにあります。

最初の1分で視聴者を引き込み、ストーリーの流れを強化し、最後まで飽きさせずに視聴を持続させることが非常に重要です。そして、どんなコンテンツでも、クリエイティビティと工夫で特別なものに変えることができます。

これからYouTubeを始める方も、すでに運用している方も、ぜひこのガイドラインを参考に、最高のYouTube動画を作ることを目指してみてください。視聴者を第一に考え、常に改善を続けていけば、きっとチャンネルは成長していくでしょう!

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