iPhoneでプロ並みの採用動画を作るポイント ─ 企画から編集まで徹底解説!

自社で採用動画を作って、人材確保に繋げたいと考えている企業は多いと思います。

求人サイトの文字情報だけで、職場の雰囲気や社員の人柄、具体的な仕事内容や1日の流れなどを伝えることは難しいものです。それらの情報を動画として紹介することで、よりリアルでわかりやすく求職者に伝えることができます。そして、求職者は入社後の自分の姿をイメージしやすくなり、様々な不安要素を解消することができます。また、求職者が動画を通して、働く環境や会社から求められる専門的なスキルなどを視覚的に理解でき、結果として採用のミスマッチを防止することができるのです。

それでは、どのように採用動画を自作していけばいいのでしょうか。この記事では、採用動画の企画から撮影、編集に至るまで、私たちが長年培ったノウハウからポイントを抜粋してお伝えしていきます。

1. 企画を決める──誰に見てもらうか?

まずは、動画の企画から。採用のためにどのような動画を作ればいいか──。それを決める上で「マーケティングファネル」という考え方を使います。「ファネル」は漏斗(ろうと、じょうご)という意味です。幅広く数多くの求人者に「認知」してもらい、「興味関心」を持ってもらった上で、「比較検討」する。という具合に、フェーズが進むにつれて、ふるいにかけられるように少数化していきます。

動画を企画する上で、 この「認知」「興味関心」「比較検討」各フェーズの求人者に対し、どこに向けた(誰に対した)動画を作るのが適切なのかを判断します。どのフェーズの動画を作るかは企業の考え方によって変わってきますが、「比較検討」動画から作ることが多いと思います。内容としては、会社説明、ブランディング(企業PR)動画、代表インタビュー、社員インタビュー、事業内容紹介などが挙げられます。

マーケティングファネル 採用特化
マーケティングファネルを採用に特化して表した図。「認知」「興味関心」「比較検討」によってKPI(目標)や動画の長さ、企画内容、公開先が変わってくる

2. 公開先を決める──どこに公開するか?

どのような動画を作るか決めたら、どこに公開するかを決めます。主な公開先は3つ。オーガニック検索されるSNS動画広告として表示される動画、自社サイトに掲載する動画です。まずは、それぞれの特性を理解しましょう。

まずは、SNSに動画を公開する場合。募集したい年齢雇用形態でSNSを選択することが重要です。たとえば、下表のデータのとおり若い層はTikTokユーザーが増えていますので、学生アルバイトや若者のパートタイマーを募集するならばTikTokに公開します。TikTokならば「ダンスしてみた」のような軽いテイストで、短い時間の動画に仕上げます。一方、固いイメージの企業で高い地位の人材を募集したいのであればYouTubeに公開して、真面目な内容の動画に仕上げるべきでしょう。大事なことは、先述したマーケティングファネルの「認知」「興味関心」「比較検討」とも密接に関わってきますが、SNS媒体によって動画の長さやテイストを変えるということです。

【令和4年度】主なソーシャルメディア系サービス/アプリ等の利用率(全年代・年代別)
令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書<概要> 令和5年6月」(総務省情報通信政策研究所)の【令和4年度】主なソーシャルメディア系サービス/アプリ等の利用率(全年代・年代別)より抜粋

SNSの動画はYouTubeが横位置、YouTubeショートやTikTokが縦位置というように、表示のされ方に縦横の違いがあります。そして、動画の長さも横位置は長め、縦位置は短めという特徴がありますので、公開先に合わせて動画を作ることが重要になります。ただし、それぞれの特性に合わせて撮り直すのは非効率なので、横位置で撮影したデータの一部を利用して縦位置に編集し直すという工夫をしましょう。下図は横位置で撮影したYouTube動画と、それを縦位置に編集したYouTubeショートの例です。

横位置動画
縦位置動画

次に、動画広告を出す場合について。オーガニック検索される動画と同様に、出稿先の特性を理解しましょう。下表に出稿先ごとの日本人ユーザー数、ユーザー層、動画広告の特徴をまとめておきますので、これを参考にテイストに合わせた動画広告を作ることが重要です。

日本での動画広告出稿における主要SNSプラットフォームの特徴
動画広告は主にインストリーム広告とアウトストリーム広告の2種類がある。インストリーム広告は、動画の前、中、または後に表示される広告で、視聴者の関心が高く、エンゲージメントを生む。アウトストリーム広告は、記事内でスクロールにより再生され、視認性が高く、コンテンツ閲覧中に表示される

最後に、自社サイトに動画を埋め込む場合ですが、サイト内でよく見られているコンテンツを把握することが重要です。多く見られているコンテンツは、ヒートマップツール「Mouseflow(マウスフロー)」を使うと、色の違いによって一目で把握できます。例えば、下図では募集要項のページの中でも「給与例」の箇所が赤くなっていることがわかります。どの企業も給与の部分に集中し、次に福利厚生、そして休日という3つの情報が圧倒的に見られる傾向にあります。それらのWebで見られているコンテンツを、必ず動画の中に入れ込むようにします。

Mouseflow 募集要項 アテンションヒートマップ

弊社がおすすめするヒートマップツール「Mouseflow(マウスフロー)」については、下記に関連情報を掲載しています。

3. 内容を決める──どのような動画にするか?

一般的に、採用動画で見られる情報は下記のとおりです。

  1. 企業文化と価値観:企業の理念、働く環境、社風についての情報
  2. キャリア成長の機会:訓練プログラム、昇進の機会、キャリア開発支援に関する情報
  3. 仕事内容:具体的な職務、プロジェクト、日常業務に関する詳細
  4. 給与と福利厚生:給与体系、健康保険、退職金制度などの経済的利益
  5. ワークライフバランス:労働時間、休暇制度、柔軟な勤務条件など
  6. 社会的評価:業界内での評価、安定性、成長性

そこで逆算して、動画に登場してもらう社員さんへの質問を考えてみましょう。

入社を決めた理由

(質問)何がこの会社を魅力的に感じさせましたか?

現在の仕事内容とそのやりがい

(質問)具体的にどのような業務を担当しているか、そしてその中で感じる達成感や喜びについて教えてください。

職場の環境や文化

(質問)会社の雰囲気や文化はどのようなものですか? チームワークはどのように感じていますか?

キャリア成長と支援

(質問)会社はあなたの成長とキャリアの進展をどのようにサポートしていますか?

入社後のサプライズ

(質問)入社してから驚いたことや期待していたことと異なった点はありますか?

将来の目標

(質問)この会社で達成したいことや目指しているキャリアの道はありますか?

これらの質問について実際に質問に答えてくれる社員さんに記入してもらいます。文字数による動画の長さは、30秒150文字、1分ならば300文字を目安にして原稿を作ります。下記にインタビュー形式の原稿例と対話型の原稿例を挙げておきます。

採用ショート動画の原稿例(1)

動画タイトル:会社の福利厚生自慢!

回答例(プレジャーボート貸出)

モクラスではユニークな福利厚生制度として、“プレジャーボートの貸し出し”があります。私たちは“余暇を楽しむのも社会人として教養の1つ”と考えているので、休日にプレジャーボートを借りて釣りや遊覧している人もいます。他にもモクラスには充実した福利厚生や人事制度がたくさんあるので、とても働きやすい会社だと思います!

採用ショート動画の原稿例(2)

動画タイトル:イケメン○○社員に○○での具体的な仕事内容と1日のスケジュールを聞いてみた!

OP:イケメン○○社員に○○での具体的な仕事内容と1日のスケジュールを聞いてみた!(静止画+テロップ)

A

Bさん、Bさん!

B

はい!

A

○○で働いている人の具体的な仕事内容を教えてください!

B

仕事内容は主に3つあって、お客様の困りごとやニーズにお応えする接客、商品の品出しや陳列などの商品管理、お客様に気持ちよく買い物してもらうための売り場づくりがあります。その中でも私は生活雑貨を担当しているので、家具やファブリックスの商品を扱うことが多いです!

A

そうなんですね! 1日のスケジュールはどんな感じですか?

B

僕の場合の1日のスケジュールは、朝10:00に朝礼を行い、そこから商品の品出しやお客様の対応をして、19:30頃に退社する感じです!

A

わかりました! ありがとうございます!

ED:スタッフ大募集中! 一緒に働く仲間を探しています! 詳しくは概要欄から!


冒頭でも述べましたが、採用動画を作る目的は会社と求職者の距離を縮め、入社後のミスマッチを減らすことです。

そのためには、実際に働いている社員の完璧な姿(飾った姿)でなく、ありのままの「個性」を伝えることで、求職者に会社の雰囲気を感じてもらうことが大切になります。それでは、動画で個性を伝えるにはどうすれば良いでしょうか? 個性とは「仕事の現場において、その人から会社の業務をマイナスしたもの」と考えてください。性格が明るいか暗いか、趣味嗜好などになります。動画として公開する場合は、そこからさらに「プライバシーをマイナスした情報」にします。プライバシーは知られたくない情報や個人情報になります。

個性を表現する動画コンテンツの例としては、

  • 質問してみた
  • クイズ出してみた
  • あるあるネタ・コント
  • ダンスしてみた
  • ライフハック(役立つ情報)

というものが挙げられます。

たとえば「質問してみた」の「バーベキューは好きですか?」「100万円の宝くじが当たったらどうしますか?」という質問ならば、プライバシーではなく個性の範囲内になります。個性を出すことによって共感する人が応募してくれるので、できる限り社員さんから情報を引き出したいのですが、会社からの依頼によっては強制力が働いてしまうケースがありますので注意したいところです。

もうひとつ注意すべき点は、会社の総務担当とコンプライアンス担当によるチェックです。総務担当がやるべきことは、過去に炎上した例がないかどうか原稿をチェックすること。コンプライアンス担当がやるべきことは、原稿の中で差別用語を使っていないかチェックすることになります。

原稿は書き慣れていないと、なかなか筆が進まないものです。文章が苦手な人や人前で話す機会が少ない人に原稿をお願いする場合はChatGPTを使うことをおすすめします。まずは自分なりに書いてみて、ChatGPTで文法や用字用法の添削を行います。書こうとすると手が止まってしまう場合は、音声入力を使ってみるのもひとつの手です。

ChatGPTで原稿を書いた例
ChatGPTで原稿を書く場合の一例

4. 撮影日と撮影場所を決める──いつ撮る? どこで撮る?

最初に撮影日を決めます。撮影日が決まらなければ、すべての物事は進みません。撮影場所は、まずは部屋を決めます。インタビュー形式ならば会議室など、仕事の内容を見せるならば各作業現場になります。部屋が決まったら背景を決めますが、その部屋の最も汚れている場所を避け、新しく見える場所きれいに見える場所を選択することです。そして、機密事項が映らないかどうか、コンプライアンス的に問題がないか確認しておきます。細かいテクニックとしては、出演者のすぐ後ろを壁にしないことです。近すぎると出演者の影が壁にはっきり映ってしまい、圧迫感を与えたり、のっぺりと退屈な印象を与えてしまったりします。さらに余裕があれば、下図を参考に放射線構図をとれるように意識して背景を決めましょう。

放射線構図 撮影例
背景に奥行きを出すには放射線構図を意識する。空間の広がりを強調でき、視聴者の視点を収束点に誘導する効果がある

背景が決まったら出演者の立ち位置に人を配置し、照明を当ててテスト撮影してみます。このとき、必ず順光になるように照明を当てます。決して逆光にならないようにしましょう。テスト撮影の映像を確認し、OKならば撮影場所を決定とします。

テスト撮影 イメージ
テスト撮影した映像は、テロップが入る位置なども含め、完成イメージとしてスタッフ全員で共有

5. 撮影スタッフを決める──誰が撮る? 誰が出る? 誰がチェックする?

撮影に関わるスタッフとしては、撮影担当者出演者(インタビューイー)インタビューアーチェック担当者が必須になります。出演者は目的の動画に合わせ、採用したいポジションに合った社員を選びます。ビジョンを語ってもらう場合は、役員や社長に出演してもらうこともあります。

採用動画の種類としては、インタビュー動画座談会動画1日密着動画の3パターンがあります。以下にそれぞれの動画の特徴を紹介しますので、パターンに合わせて出演者を決定しましょう。

インタビュー動画では、1人の社員をインタビューイーとしてインタビューアーが質問を投げかけ、そのやり取りを収録します。伝えたい内容を事前に整理できるので出演者の情報を深掘りすることができ、メッセージ性の強い動画になります。ただ、1人で淡々と話すため単調な動画になりがちなので、2つのカメラで角度を変えて撮影したり、話している内容に対しての「インサート」を多く入れたりすることを意識します。出演者を選ぶ上で、入社1年目、3年目、5年目の社員を登場させることで求職者は入社後のキャリアアップをイメージしやすくなります。

座談会動画は複数の社員が出演し、質問に対して会話しながら回答する動画になります。複数の社員が出演することでリラックスした環境を作りやすく、本音や笑顔が出やすくなり、同期や先輩社員との関係性が伝わりやすくなります。ただ、自由に話しすぎると最終的な動画の仕上がりが予測しにくくなるので、伝えたい内容やキーワードは明確にしておく必要があります。バランスよく話を振る進行役がいると動画の内容がまとまりやすくなりますので、適任者がいれば選出しておきましょう。

1日密着動画は1人の社員に1日密着して、実際に働いている様子を紹介する動画です。職場の様子や社員の雰囲気が自然と映り込むため、求職者が入社後に自分が働いている姿を具体的にイメージしてもらえます。また、動画の構成やシーンの変化が大きいので、見ていて飽きにくくなります。長時間、複数箇所での撮影になるので、他の仕事をしている社員への配慮などが必要になります。

以上のように、動画のパターンによって関わる人数は変わってきますが、原稿どおりに撮影されているかを確認するチェック担当者を決めて、出演者、撮影者以外にスタッフとして必ず参加してもらうようにしましょう。

6. 出演者に練習を依頼する──実は、ここが大事!

採用動画で重要なことは、チェック済みの原稿を元に、出演者に事前に練習してもらうことです。人前で話し慣れていない社員は、特に念入りに練習してもらう必要があるのですが、何回お願いしても練習してくれない場合があります。その際は、練習した方が撮影時間は短くなり、早く終わることを伝えましょう。練習することでスムーズに話せるようになり、結果として会社に優秀な人材が集まることにも繋がります

なお、出演者が経営者などで練習の依頼ができない場合は、プロンプターに原稿を表示してインタビューを行うという手もあります。

7. 動画を撮影する──必要な機材と撮影のポイント

撮影に必要な機材はカメラ(iPhone)三脚マイク(ワイヤレスマイク推奨)照明です。室内での撮影では照明はぜひ使ってください。価格的には30,000円程度の照明が1灯あれば十分です。なお、iPhoneの撮影ではジンバルが使われるイメージがありますが、撮影時間が長い場合はジンバルよりも三脚の方が圧倒的に安定した撮影ができます。

1灯の場合の照明の位置
1灯の場合の照明の位置。出演者と照明の位置が直角二等辺三角形になるように配置する。照明は太陽をイメージして、できる限り高い位置から当てるようにする

準備が整ったら、いざ撮影です。テスト撮影したときの映像を全員で再度共有し、その構図に合わせてカメラ照明の位置、出演者の目線などを確認して撮影を開始します。インタビュー動画の場合、カメラの真横にインタビューアーが立って、そちらに向いて答える形になります。出演者がきちんと練習してくれていれば、明るい表情を作りやすくなります。それでも表情が硬い場合は、インタビューアーが冗談などを交えてリラックスできる雰囲気を作りましょう。

収録中は、チェック担当者が原稿と音声に差異がないかを確認します。特に漢字の読み間違えなどがあった場合は、チェック担当者から再撮影の指示を出すようにします。また、誤読以外にもコンプライアンス的に問題があるような発言についても撮影中に確認します。確認もれがないように、チェックリストを用意しておきます。なお、音声が原稿どおりであっても、イントネーションで迷う場合があります。その際は、後からのトラブルを避けるために必ず2パターンのイントネーションで撮っておくようにしましょう。

出演者の服装髪型に乱れがないかは、撮影担当者がチェックします。特に出演者が女性の場合は手鏡を用意しておき、髪の毛が乱れたような場合に手鏡を渡すようにします。「髪の毛が乱れた」と指摘しなくても、手鏡を見ることで自然に出演者自身で直してくれます。

出演者が話す内容に関連した「インサート」を撮影しておくと、インタビュー内容をより詳しく解説したり、補足したりすることができます。テレビのニュース番組やグルメ番組を参考に、どのようなインサートを挿入すれば効果的か考えてみましょう。また、インサートがあることで映像表現が豊かになり、見ていて飽きにくい動画に仕上がります。

インタビュー動画 インサート例
たとえば、原稿に「楽しい雰囲気」「メンバーと協力」というキーワードがあれば、それに関連する映像をインサートとして使えるように撮っておく

その他、動画編集の話になりますが、出演者が噛んだり言いよどんだり、話の間が長くなったりした部分をカットすることで「ジャンプカット」という、違和感を与える映像になる場合があります。そのようなときにもインタビュー映像の代わりにインサートを映像として使うと効果的です。

動画編集 インサートイメージ
動画編集におけるインサートのイメージ

8. 動画を編集する ──カット編集・テロップデザイン・音声編集

撮影が無事に終了したら、動画を編集します。iPhoneで撮影して、そのまま編集できるアプリもありますが、PCで編集した方が作業時間は早くなります。 iPhoneの編集アプリは、簡単に編集してアップすることに特化しているのですが、複雑な編集には向いていないからです。

iPhoneで撮影した動画をPCに読み込み、原稿の順番どおりにタイムラインに並べます。ここから不要な部分を削除していきます。この作業をカット編集と呼びます。もしも、言い間違えや使いたくないシーンなどが発生したらインサートを上手に活用して該当部分に挿入します。ここまで出来たら、映像の明るさを調整します。明るい方が見た目の印象も良くなり、出演者にも視聴者にも喜ばれることが多くなります。

カット編集と明るさ調整が終わったら、テロップをデザインします。テロップには出演者の声を言葉として入れる「テロップ(字幕)」、見出しとなる「質問内容テロップ」、出演者の名前を表示する「ネームテロップ」、会社のロゴを表示する「ロゴスペース」などがあります。テロップに使うフォントは、視認性を優先するならばゴシック体、“上品さ”や“知的さ”を演出するならば明朝体を使います。テロップの配色で迷った場合は、コーポレートカラーを使用するのがおすすめです。

テロップ配置例
撮影したインタビュー動画にテロップを配置した例

テロップ(字幕)は文字数も多く、数秒ごとに切り替わるので、派手なデザインにすると悪目立ちしやすくなります。シンプルなデザインで「座布団」と呼ばれる背景を敷いたり、文字にシャドウをつけたりして視認性を高めるのがおすすめです。

テロップデザインによる視認性の違い
説明会などの会場で動画を視聴してもらう場合は、遠くから見ても文字が読めるように意識

映像の編集が終わったら、音声の編集を行います。採用動画においては音声が主役と言っても過言ではないので、音声がもっとも聞きやすいように編集で調整します。音声には主音声(出演者の声)、効果音BGMの3種類があります。採用動画では効果音とBGMは主音声に比べて音量を下げるようにしましょう。動画編集ソフトには「オーディオゲイン」という機能がありますので、そこで主音声を-3dB、効果音を-6dB〜-9dB、BGMを-18dB〜-24dBという値を目安にして調整します。たとえば、Adobe Premiere Proであれば調整したい音声レイヤーを右クリックして[オーディオゲイン]を選択し、表示される画面で[すべてのピークをノーマライズ]を選択します。その上で、主音声、効果音、BGMによって上記の値を設定します。

音のAdobe Premiere Proの設定
主音声、効果音、BGMの音量の目安とAdobe Premiere Proでの設定イメージ

カット編集、テロップデザイン、音声編集が終われば動画の完成ですが、会社として公開する動画ですので担当者経営者に確認してもらう必要があります。ここで役に立つのがAdobeのレビューツール「Frame.io」です。複数の人に見てもらって修正指示を受ける場合、編集作業が大変になり直し漏れが発生することがありますが、Frame.ioを使えばスムーズかつ安全に作業を進めることができます。詳しくは別の記事「【Frame.io】動画チェック作業を簡略化!基本的な使い方と有効活用のポイント」をご一読ください。

なお、この記事の内容をさらに詳しくまとめた書籍『動画制作レベルアップ術 プロから学ぶ! 成果につながる企画・撮影・編集テクニック』が弊社代表の安部貴士 著で発売されています。動画制作の心構え、企画・目標の作り方から、シナリオ、撮影機具の設定、構図、レイアウト、音、編集などの動画制作のために必要な要素をわかりやすく学び、視聴者が見たいもの=ベネフィットが伝わる動画を作ることができます。ぜひ、ご一読ください。

また、弊社では動画内製化のコンサルティングを行っています。未経験者でも独自のデザインメソッドでハイクオリティに制作できるようレクチャーします。実績上、内製動画のクオリティ向上で最も確実なのは「基礎講座 + 動画の添削」です。弊社では、2016年から上場企業、自治体、大学、医療機関など、様々な業界で動画内製化支援を行なってきました。これまでの実績とデータから、最も効率的かつ効果的に動画制作が上達する方法が分かりました。

  1. 第一線で活躍するビジネス動画制作のプロが、講座を通して動画制作の概論の基礎を教えること
  2. 講座後、テレビ会議やチャットで答えながら、制作動画を添削してクオリティを改善していくこと

特に添削においては、お客様が作成した動画の改善アドバイスや質問に、チャットなどで無制限に答えていきます。動画内製化で、購入率が150%になった事例もあります。ご興味ある方は、下記からお気軽にご相談ください。

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