皆様こんにちは。株式会社火燵です。
今回は弊社で実際に行った、お問い合わせフォームからの営業メールを減らす施策と、その結果をご報告いたします。
お問い合わせフォームから届く営業メールに困っていませんか?
サイトやブログなどがある方の多くは、お問い合わせフォームを設置していると思います。フォームへの送信があると、通知が届くように設定している方もいるでしょう。
弊社でもフォームを設置しており、送信の通知が来ると喜ばしい気持ちになります。お仕事をいただけるきっかけになりますし、成果の証といえますからね。
ただしそれは、お問い合わせやご相談などの内容に限ります。
頂いたお問い合わせメールの冒頭で、以下のような文が目に入り、がっかりしたことはございませんか?
「是非、御社と契約を結ばせていただきたく・・・」
「○○のお仕事に興味は・・・」
「○○キャンペーン実施中!」
こういった文言で始まる場合、ほぼ100%営業メールです。
弊社にも、多くの営業メールがフォームを介して届きました。そのうち、80%以上が営業だった月が何回もあります。
営業メールは成果分析やお客様の声を阻害するノイズ
お問い合わせフォームは、自社のサービスや事業、商品などをお使いいただくお客様のために設置しています。企業やフリーランスが売り込む場ではございません。
そのため、営業メールは通知や成果分析の邪魔になります。
さらに営業メールでお客様の声が埋もれると、確認や返答の遅れに繋がり、評判や売上に影響が出る可能性があります。
弊社では毎月の始めに、お問い合わせフォームからいただいた内容を分類し、以下などの解析を行います。
- どのサービスへのお問い合わせが多かったか
- 実際に成約へ至ったのは何件か
- 行った施策は成果に結びついたか
それらの結果を元に、今後の運用に繋げます。
営業メールは、その分析において除外対象です。その割合が増えてしまうと、本当に施策の効果があったのか、判断が難しくなります。
このように、お問い合わせフォームからの営業メールは基本的に歓迎されるものではありません。
行った5つの施策
その営業メールを減らすために、弊社では以下5つの施策を行いました。
- 検索結果に表示されないようにする
- 注意文を掲載する
- 営業専用フォームを設置する
- プライバシーポリシーに強い警告文を掲載する
- 入力やチェック項目に制限をかける
検索結果に表示されないようにする
Googleなどの検索エンジンからフォームへ直接アクセスしてこないように、下記のタグを<head>
と</head>
の中に挿入します。
<meta name="robots" content="noindex,nofollow" />
すると、どんなキーワードを入れて検索しても、ページが表示されなくなります。
これで、直接検索からフォームに営業をかけてくる業者を減らせます。
WordPressでしたら、専用のプラグインを入れて設定しましょう。
注意文を掲載する
営業メールを送信しようとする方に向けて、フォームの上に注意文を掲載し、少しでも送信を躊躇させます。
これで本当のお問い合わせメールの割合(営業を除くメール)が、14.3%から37.5%に増加しました。
しかし、翌月には営業以外のメールはそれ以上増えず(31.8%)、目立った効果は出ませんでした。
そこで、下記2つの施策を行いました。このうちの一つが大きな成果を出します。
営業専用フォームを設置する
こちらが最も大きな効果が出た施策です。
先程は「営業メールが邪魔」と述べましたが、売り込みメールの中には、仕事と売上につながるいい提案もありました。年間で3〜5件くらいは営業メールに返信し、サービスを利用しています。
そのようなケースもあるため、営業メールでの提案自体に感謝はしています。ですが、全てに返信はできません。
数が多いと全て閲覧するのは難しく、1通あたり5秒くらいしか見られません。
できれば、営業とお客様からのメールは分け、効率よく仕事をしたいところです。
そこで、営業専用のメールフォームを設けました。
プライバシーポリシーに強い警告文を掲載する
あわせて、プライバシーポリシーにも警告文を追記しました。
入力やチェック項目に制限をかける
上記4つの施策は数カ月間、高い効果を発揮します。
しかし、しばらくするとまた営業メールが増えてしまいました。特に外国からのスパムメールが多く、受信の半分以上がスパムだった月が続きます。
注意文やプライバシーポリシーの追記、営業用フォームの設置は、あくまで日本人にしか効果がない施策だったのです。
対策をすべく、送られてきた外国のスパムメールをチェックしていたところ、ある点に気づきました。
当サイトのお問合いわせフォームには、「問い合わせの事業・サービス」というチェック項目があります。
スパムメールはこの項目のすべてにチェックを入れて送ってきていました。
そこで、「問い合わせの事業・サービス」のチェックは5つまで、という制限をかけました。
すると、ぱたりとスパムがなくなったのです。
実施前とその後の結果
施策を行う以前から、合間で施策を行った8月末までのデータです。
月 | 営業+α | 営業以外 | 施策 |
---|---|---|---|
2022年1月 | 83.3% | 16.7% | 初め頃 検索結果に出さないようにする |
2022年2月 | 80.0% | 20.0% | なし |
2022年3月 | 85.7% | 14.3% | 末頃 注意文掲載 |
2022年4月 | 62.5% | 37.5% | なし |
2022年5月 | 68.2% | 31.8% | 末頃 注意文デザイン強調 |
2022年6月 | 37.5% | 62.5% | 初め頃 営業専用フォームを設置・プライバシーポリシーに追記 |
2022年7月 | 52.0% | 48.0% | 初め頃 お客様フォームを目立たせる |
2022年8月 | 60.0% | 40.0% | なし |
どの施策も、行った後は営業以外のメールの割合が増加しました。
特に営業専用フォームの設置直後は、営業メールが前月よりも14.5%ほど減少し、大きな効果が表れているのがわかります。
問い合わせの事業・サービス項目チェック数 制限の成果
4つの施策を行ったあと、フォームからの受信内容はこのような割合になっていました。
月 | 営業 | スパムなど | 営業以外 |
---|---|---|---|
2023年1月 | 42.1% | 42.1% | 15.8% |
2023年2月 | 9.8% | 84.3% | 5.9% |
2023年3月 | 16.0% | 76.0% | 8.0% |
2023年4月 | 13.5% | 70.3% | 16.2% |
「営業以外」は事業に関するお問い合わせ
営業もですが、特にスパムの割合が増加し、フォームからの受信メールがほとんどがスパムだった月が続いています。
そこで、2023年4月中旬に「問い合わせの事業・サービス」のチェック項目に制限を設けました。
それ以降の受信内容はこちらです。
月 | 営業 | スパムなど | 営業以外 |
---|---|---|---|
2023年5月 | 60.0% | 0% | 40.0% |
2023年6月 | 40.0% | 0% | 60.0% |
2023年7月 | 45.5% | 9.1% | 45.5% |
2023年8月 | 23.5% | 17.7% | 58.8% |
「営業以外」は事業に関するお問い合わせ
なんと、スパムが全く来ない月が二ヶ月続きました。
その後もスパムは施策前よりも非常に少なくなり、事業のお問い合わせの割合が増加しました。
他にこんな施策も
弊社では行いませんでしたが、他にはこのような対策もございます。
- 「営業メールではない」というチェックをつける
他のサイトでは「効果が出た」という記事がいくつか見られました。 - 海外からのアクセスやフォームの送信をブロックする
スパムメールは海外からが多いため、アクセスごとブロックすると効果は高いです。事業などの関係で海外からのアクセスをブロックしたくない場合は、営業メールが多い個別のIPアドレスをブロックするといった対策が良いでしょう。 - フォームに禁止ワードを設定する
「営業」など、営業メールでよく使われるワードを禁止にすると、効果があるそうです。 - 営業メールの送信者に直接クレームを入れる
弊社も一件だけ送ったことはあります。以後、その業者からは今のところ来ていません。
まとめ
もし営業メールにお困りでしたら、今回ご紹介した5つの施策を行ってみてはいかがでしょうか。
- 検索結果に表示されないようにする
- 注意文を掲載する
- 営業専用フォームを設置する
- プライバシーポリシーに強い警告文を掲載する
- 入力やチェック項目に制限をかける
専用フォームの効果は最も高かったため、おすすめの施策です。
お客様からのお問い合わせだけでなく、営業メールも受け入れたいなら最適です。この施策を行ったおかげで、お客様と営業メールの仕分けがしやすくなりました。
フォームからの送信を増やしたい場合は、入力項目を減らしたり、入力しやすいように制限はあまりかけない方が良い、と言われています。
つまりその反対である、入力項目を増やしたり、入力時に何かしら制限をかければ(チェックは○個まで、本文は○文字まで など)、フォームからの送信は減りますが、熱量の高いユーザーが見つけやすくなります。
当サイトのお問い合わせフォームの入力項目が多くページが長いのは、こういった理由があるためです。
新しいフォームの設置が難しいようでしたら、それ以外の施策だけでも効果は表れるでしょう。ぜひお試しください。
もしフォームの改善や施策を行いたいようでしたら、Mouseflowの設置をオススメいたします。
ユーザーがフォームを入力しているときの動きを録画でき、どの項目で離脱しているかなどの行動分析ができます。
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