みなさん、こんにちは。
突然ですが、今回は動画をお客様とやり取りする時の連絡手段、クラウドストレージやオンラインチェックについて考えてみます。
JECTORに出会うまでの経緯
株式会社火燵では、2017年の後半までギガファイル便でファイルのやりとりを行い、YouTubeでお客様チェックを行なっていました。
昨年、InterBEEを見学した時に「株式会社ねこじゃらし」というクラウドストレージの会社に立ち寄りました。いろいろと話を聞き、JECTORというクラウドストレージの導入を決めました。
このJECTORというサービスは、オンラインでお客様チェックまでできてしまうツールです。
(お客様とのチェックのやり取りはできますが、一応お客様にはJECTORの説明が必要だと思いますので、悪しからず。あと社名に凄く共感が持てました…。)
「今まで無料で行っていた作業に、なぜ経費をかけなくてはいけないのか?」
これは、弊社が単純に説明を聞いた感想です。おそらく映像制作会社の皆さんなら、誰でも思うことでしょう。
サービスの説明をされ、費用対効果の話を聞きたいと思いました。
- 動画をアップしてプレビューをブラウザ上で行える。
- ブラウザで再生される映像の上から、丸やラインを引いてコメントを直接書き込める。
映像制作の現場のことを考えて作られたプロダクトだと思いました。制作サイドより、ややお客様目線で作られている印象です。
後日、改めて担当者に話を聞いてみました。クラウドストレージ機能のみであれば、導入など一切考えていませんでした。
しかし、自問自答した結果
「そういえば今年で創業10年だけど、動画をお客様にチェック出しした後の満足度や使い勝手を、真剣に考えたことがほとんどないな。」
そう思い、JECTORを試験的に使ってみて、ダメならやめようと導入を決めました。
使用して3ヶ月ほど経ちました。それぞれ便利な点、不便な点を理解できたため、書き記します。
単純な感想としては、JECTORは全体的に「ギガファイルと+YouTube」の良いところを全てフォローしており、現場の声を集約して独自の機能が洗練されている印象です。
次に、ギガファイル便とYouTubeのそれぞれについて、弊社が感じていた課題を書き出してみました。
ギガファイル便(ファイル共有)
セキュリティ・管理面
そもそも、アップしたデータが正常に消されているか疑問です。
どこの会社で、社長が誰なのかも知らない。WEBサイト上に、会社概要や責任者の記載なし。
大きな企業さんや自治体でのやり取りでは、NGなケースが多いです。たまに依頼のある国の機関はNGでした。
ダウンロード期限の問題
リンクからダウンロードを忘れたお客様から「期限切れたからもう一回アップしてよ」と言われます。
「まずダウンロードのみ先にお願いします」と言いたいのですが、言えないのです。言いづらいのです……。
ダウンロード、アップロード共に失敗が多い。
大きなファイルを扱う時によくあるのですが、何が悪いのか、検証しても分かりませんでした。ネット環境の問題もあるとは思います。
YouTube(プレビュー)
プレビューは、YouTubeで代替えしている人が多いのではないでしょうか。
アップロード時の設定ミス
YouTubeだと、アップロード時の設定を間違って、一般公開してしまう可能性があります。
極秘案件の場合は、一生分の契約が飛びます。よくあるパターンだと思われます。泣
15分以上の長尺動画だとアカウントの認証が必要
制作者は、認証済みアカウントを運用されている場合がほとんどでしょう。ですが、お客様のアカウントを管理している場合、このケースがネックになります。
楽曲問題
著作権違反の可能性のある楽曲が入っている場合は、警告が来て無音になってしまいます。
たまたま動画の背景に流れている場合もアウトです。著作者から依頼を受けていたり、申請を行っていても使えないのがネックです(「YouTubeへ権利者から許可を得ている」旨の申請が凄く面倒)
プレビューのみでダウンロードができない。
当たり前ですが、できれば同じツールで共有とプレビューを行いたいです。
YouTubeの場合、同じアカウント内であればダウンロードOKです。ただし、形式や解像度が限定されます。
納品解像度の指定がある場合は、ダウンロード機能はあっても使えません(MP4に限定されます。FullHDからでも画質は落ちます)。
お客様を混乱させてしまう
ITが苦手なお客様、YouTubeをあまり活用されていないお客様の場合は「え?もう公開してしまっているんですか?」などと混乱させてしまうことがあります。「限定公開」という公開設定の説明をしても、ご理解いただくのに時間がかかることもあります。
以上が、弊社独自の感想です。制作会社側とお客様先での不便な点を並べてみました。他にも現場ごとに考えてみると、不便な点が多いのではないでしょうか?
JECTORのメリット
一方のJECTORですが、上記を全てクリアしています。
更に細かいメリットをまとめました。
ダウンロードなしでプレビュー可能、お客様OKが出たら即ダウンロード可能
JECTORは、お客様が動画をダウンロードせずにチェックできる点が非常に便利です。
制作会社は一切に手間になりませんが、お客様先の環境に配慮する意味合いでは非常に重要ですね。
例えば、まずダウンロードの手間がゼロになります。
お客様のパソコンは映像編集用ではございません。大きな解像度の動画を再生する場合、スペックが足らずにもたつき(カクカク感)が発生し、正常にプレビューできない場合があります。その場合、大抵弊社に電話がかかります。納品直前は緊急性が高いため、慌てて担当者さんから連絡をいただくケースになります。そうなると、お互いの手間が取られてしまいます。できれば、こんなケースは回避したいです。
ダウンロードしてお客様にチェックいただく場合、Windowsの一部の環境ではハイビジョンの動画が再生できません(真っ暗になって音声だけ流れる)。そういう場合も、弊社に連絡があります。
私たちがお客様のチェックのしやすさに配慮すれば、お問い合わせが減るような案件は現場では結構あります。きちんと対処すれば時間のロスがなくなり、お互いの生産性が向上するでしょう。
比較再生機能もあり、直接動画に修正点を書き込み可能。
ほとんどの場合、お客様から帰ってくる内容は活字のみが多いです。
01:10 テキストを「〇〇」に差し替え
02:20 女性が出ているシーンを他の男性に差し替える
こんな感じの書き方が非常に多いです。
修正は、意図が編集者に正しく伝われば良いのですが、分かりやすさという点では直接書き込んだ方が良いでしょう。
比較再生は、非常に便利な機能です。音声の同時再生はできませんし、動画の個別再生もできませんが、2つの動画を2つ同時に再生したい場合、停止したい場合にはオススメの機能です。
お客様の行動が丸分かり?メールで届く通知機能
ダウンロード時、チェック時に担当者がチェックしているか、していないかが分かります。この機能は、他のファイル共有サービスにもありますが、個人的にはとても大事だと思います。何故なら、この機能のおかげでチェックが返ってくる時間やタイミングが予測できるからです。
お客様の行動パターンも予測ができるので、ビジネスを円滑に進めることが可能です。仮に通知がない場合は、忘れてられてる可能性もあるため「その後、いかがでしょうかー?」と連絡する目安にもなります。
全ての通知は「ログ」として後で見返せます。
上場企業からの問い合わせに対し高いセキュリティ感を出すことができた
これは弊社でたまたま起こった出来事ですが、ある上場企業から動画制作内製化支援の相談がありました。資料やサンプルが欲しいとのことだったので、JECTORを使ってファイルの共有を行いました。
その後、打ち合わせでセキュリティの話になり、ファイル共有について弊社への質問で、JECTORのことについて聞かれました。その後、受注に至ったのちに「ギガファイル便などであれば社内で使えなかったため、イメージが悪くなることにつながった可能性はあった」と言われました。
ツール一つで評価が変わるとは考えづらいですが、映像業界でも「大きいカメラの方が素人は喜ぶ」的な話は確かにあると思いますし、なるほどなと思いました。
以上、かなりJECTOR推しのブログになっていますが、本当にオススメのツールです。同業の方で導入を検討されている方は、個別に相談にのります。是非、ご連絡をください。