皆さん、こんにちは。
今回は弊社で動画の内製化支援のコンサルティングをさせていただいた株式会社千趣会様の、動画制作担当であるEC販売推進部 EC販促チーム、田中雄大様にインタビューをいたしました。
動画内製でお悩みの方に是非とも知っていただきたい内容です。東証一部上場企業でありながら、動画内製化に挑戦された販促チームの皆さまの、工夫や努力をシェアさせていただきました。
※取材日は2018年6月19日都内某所。
まずは育児動画メディア「mamato」のオープン、おめでとうございます。
ありがとうございます。逆に火燵さんにも随分とお世話になりました。
いえいえ、皆さんの頑張りのおかげです。私は基本的に動画を観てアドバイスするだけですから。弊社の方こそ、動画を初心者の方へ教えるという、現場のデータがかなり取れました。これから相談のあるお客様へのアプローチに磨きがかかります。感謝の言葉以外に何もありません。
それは良かったです。そう言っていただけると、お願いした甲斐がありました。何かありましたらまた相談させてください。
そもそも、なぜ動画の内製化をしようと思ったのか。
今回の動画メディアオープンは、最近のスマートデバイスや撮影・編集機器の技術進化があってからこそできたものだと考えています。それでも、動画制作と言えば専門のプロの方が外注として作成することが、業界的には一般的だと思います。
その中で何故、内製化をすることになったのか教えてください。
今だから言えますが、動画メディアの企画をやろうと思った時に、実は動画メディアの公開日だけが既に決まっていて、企画や制作などの運営体制は、ほとんど決まっているものはありませんでした。(笑)
ビジネスはスピード感が重要だから、スケジュールは先行して決まる。その上でいつも通り、専門の外注さんにお願いをして動画を制作することも検討したのですが、いきなり全部外注しては予算だけが膨れ上がってしまう。
ただ、動画の展開は時代の流れとしてどうしても避けて通れないし、千趣会としてのこれまで約60年に及ぶナレッジを考えると、お客様に向けた動画の発信は必須でした。
この約60年で、女性の消費活動・ライフスタイルには様々な変化がありました。
弊社はウーマンスマイルカンパニーとして、そういった時代の流れを女性ともに歩んできたという自負があります。
他に似た様なメディアはたくさんありますが、半世紀を超えるナレッジが千趣会の核となる部分であることに、間違いありませんでした。また、それを動画化することが必要であると考えました。
なるほど。歴史がある会社ですが、予算が潤沢ではない。
そうなると、どう工夫するかが問われますね。
そうなんです。そこで「じゃあ動画を内製化をしよう」となりました。社内に動画制作のナレッジを貯めることで、新しい展開が見えてくるのではないかと考えました。また自社で作ることにより、企画チームの想いがより強く伝わるのではないかと考えました。
最初はとりあえず、iPhoneで撮影して編集することから始めてみました。
「予算をかけないなら社内決済も取れるだろう。」
そんな軽いノリで始めたんですが、素人目にかなり上手く制作できたんです。(笑)
ただ、最終的な見込み視聴者数を考えた時に、iPhoneで作った動画には「見やすさ」や「クオリティ」という点で限界があるよね。やるんだったらちゃんとしよう、という話になり試行錯誤が始まりました。
社員の私物で、使っていないミラーレス一眼レフを現場に持ってきて、試し撮りを行ったんです。これも、ある一定のクオリティが確保できたんです。(笑)
これはプロでなくても動画メディアの立ち上げは可能だ。技術進歩のおかげで少額投資でいける!(笑)と確信しました。
ですね。確かによくできていましたよね。
でも数本作った後に、やはり動画制作の素人であることには変わりはなく、撮影編集が上手くなるには具体的にどうすれば良いのか。WEBマーケティングの一環としての動画企画を回すにはどうすれば良いのか、視聴分析はどうすればいいのか、新規の動画制作スタッフへの教育はどうれば良いのか。
素人がネットのチュートリアルブログやYouTubeのハウツーものを観ても、解決できない課題がたくさんあることに気がつき、「相談できる人を探そう」という話になりました。
なるほど。で、相談できる人を探したんですね。
そうです。個人から企業まで動画のレクチャーができる、かなりの方に話を伺いました。
動画制作ができる方はたくさんいらっしゃる。でも、詳しく話を聞くと、専門機材を使った動画の技術に特化している方が多く、WEBマーケティングの一部としての動画制作という意味では、企画の回し方や制作後の分析などについて、フォローいただける方が少ない印象を受けました。
こちらが指定した機材でレクチャーを受けられる方も少なかったですし、コレだ!と思うパートナーとなかなか出会えず……。
スクール形式のセミナーだけで終わらない会社、企画が走り出した時に伴走するような形でフォローしてくださるトレーナーのような会社さんは、全国を探してもほとんどありませんでした。
そこで弊社ですか?(笑)
火燵さんとの出会いは、いろんな意味でインパクトがありましたよ。
まず社名。(笑) 「こたつ」って一回聞いたら忘れないですよね。
また失礼ですけど、四国の地方の会社という点。
社長である安部さんの見た目(笑)。
社内でも、いい意味で「よく火燵さんみたいな会社を検索して見つけたね(笑)」と言われました。いろんな意味でセンセーショナルでした。
また、火燵さんのSEOの凄さもあると思います。
ありがとうございます。その辺りは大体よく言われます。(笑)
やはり検索して出てきた会社から選定するというのは基本ですし、動画の会社なんだけど、それが分かっている印象でした。
画面をスクロールするとポップアップが出てくるし、WEBサイトの作り込みも先進感がありましたし。(笑)
他社様からは「いかに動画制作を簡単にできるか」というお話が多かったのですが、弊社は動画屋さんになりたいわけじゃない。
そんな中、安部さんの「動画制作はWEBマーケティングの一環です。動画を制作可能な方がWEBマーケティングできるのが最強です。」という言葉は、上層部へ業者選定の相談を行った時にも響いたと思います。おそらくそこが一番良かったと思います。
皆「単なる動画屋さんじゃないな。動画コンサルを名乗っているだけあるな」というのが伝わってきましたし、そこが発注への大きなきっかけになりました。「火燵さんでいけるね」とチーム内で意見が一致しました。
そして、締切だけが決まった育児動画メディア「mamato(ママト)」チームが、いよいよ動き出すことになりました。
実際に動画の内製化を行ってみてどうだったか。
その中でどうでしたか? 正直、役に立てたかな? って心配してました。
それはもちろんですよ。
今回の企画立ち上げについて、火燵さんが居なかったら、動画メディアのオープンはかなり厳しいものがあったと思います。
私たちのような素人相手に分かりやすく教えてもらえたのは、安部さんが短大で先生をされていて、普段から教えることをビジネスにしていたのが大きいと思います。また、ChatWrokを使って、いつでも動画のチェックや質問に答えていただけたのも、非常にありがたく頼もしかったです。また定期的なWEB会議も行いましたし、ここで企画や検証の相談もできました。お互い相談しながら、社内向けの動画制作マニュアルを作り上げたのも大きいですね。
3ヶ月という短い期間で、目に見えて動画制作のスキルがアップしました。
初期の頃の作品と今とでは、一目瞭然だと思います。
ありがとうございます。実は教科書を作るのが苦手なので、スタッフの方にも随分と助言いただきました。
それにしてもやはり、WEBマーケティングという観点から動画を作ることが重要ですね。今回のような動画メディアは、コンテンツマーケティングを動画でかけていくという、一つの形になると思います。
様々な動画を制作することで新しい分析結果が発見でき、これまでに誰もやったことのない新しいアプローチが可能になりますね。
これからの課題について
これからの課題について教えてください。
火燵さんとのやり取りでは何度もでてきたのですが、私たちの最終的な目的は動画を作ることではないんです。
まず初期段階の目的は、認知を集めることにあります。でも動画をたくさんアップすれば再生数が稼げて認知が集まるわけではない。
対内的には、動画制作のクオリティや企画力をアップしなくてはならない。
また対外的には、弊社の動画メディアをどういうふうに露出させるか、どんな施策を打ち出せば人が集まるのか、この辺りが当面の課題と言えるでしょう。
そうですね。動画は作っただけでは再生数は伸びませんからね。動画を作ることと、作った動画を見てもらうことは、やるべきことが違いますからね。
今のところ、チャンネル登録者は順調に増えています。元々フォロワーが少なかったのもありますが、伸び率は良いと思います。それでも、登録者数が一定のところまで行くと、登録率が低下すると思っています。そのためには、また別のやり方を模索する必要があると考えています。
常に新しい情報を提供できるような体制を、徐々に整えたいです。
そうですね。登録者数と伸び率を計測することで、アカウントの成長が可視化できますね。特に、登録に繋がった動画をチェックすることは非常に重要ですね。
ようやく育児動画メディア「mamato(ママト)」は離陸はしました。離陸に必要な作業と、航行に必要な作業は違いますよね。
これは、動画メディアのフォロワーを0から1000にする課題と、1000から10000にする課題とが違うことを意味していると思います。課題が違いますが、やらなければならないことは明確ですので、今後も良い動画をアップしユーザーさんと良いコミュニケーションをつくっていきたいです。
まだまだ動画の企画もクオリテイも、質の部分は工夫はできるし、質も高められる。全てにおいて伸び代があると思っています。
今後もしっかりと分析・検証と制作を繰り返して、お客様が笑顔になる良い動画を作っていきたいですね。
ベルメゾンの育児動画メディア「mamato」
2018年8月時点の登録者数