皆さんこんにちは。株式会社火燵です。
今日は、動画制作の企画書の作り方を説明していきます。
商品紹介動画や動画広告が対象です。
今回は、この企画書にどのように文章を埋めていくのか解説していきます。
対象となる商品
企画書作成時には作る動画が決まっていると思いますが、お悩みポイントとしては「動画を作成する順番」ですね。これに関しては、迷う方が結構いらっしゃいます。
売り上げが大きい商品、アクセスが多い商品から動画を作っていくのをおすすめします。
そういったものから動画を作った方が、経営的に有利だったりします。
なぜアクセスが多い商品から動画を作るかというと、サイトに来てくれるお客さんの数が増えるためです。
すると関連商品もついでに見てくれる、という現象が発生します。
逆にアクセス数が小さい動画から作ると、サイトに与えるインパクトも少ないので、関連商品を見てもらえる確率も減ってしまいます。
動画の目的
こちらの悩みポイントとしては、目的の設定の仕方自体でしょう。
企画書を作るときには、目的と目標の設定は必須です。
ストイックな会社だと「必ず数字で出してください」と言われて悩むこともあるでしょう。
そういう場合、ファネルの概念を知っていれば、悩む必要は一切ありません。
ファネルとは、消費者の心理的な変化を表した表です。消費者が買い物するときは、必ず心理的な変化を伴います。この心情の遷移を、ファネルというものに図化しています。
皆さんも何か買い物する時は、必ずこのどこかに属することになります。
例えば「旅行に行きたい」という人は常々思っているわけではなく、長期休みの前など何かがきっかけになるでしょう。
旅行先としては、認知している中で興味関心のあるものから、更に比較検討して決定します。
そして実際旅行に行き、楽しいことがあればTwitterやInstagramに動画や写真をアップして共有をします。
企業側はこのファネルを逆手にとり、多くの人に商品を知ってもらうため、何かしらの情報を発信します。
いざ何か購入しようと検討している人(比較検討層)に対しても、比較検討の材料(情報)を与えないといけません。
認知層の場合は、知らない人に強引に見せるといった側面もあるため、極力短い動画で端的に説明します。
比較検討に関しては、高い買い物になる場合「きちんとした情報を適切に判断したい」という消費者の心理もあります。そのため「消費者の心理に寄り添う形で、的確な情報を与える」という意味合いで、動画は長くなります。
このように、どんな動画を作るかの決定の材料にもなるのがファネルになります。
KPIの設定
具体的に数値設定できないのが、お悩みとして多いと思います。
今回は、商品紹介動画におけるYouTubeのKPI設定方法をお伝えします。
指標としては、2つの大きい指標があります。チャンネル登録と視聴回数です。
チャンネル登録をKPIで設定するときは、チャンネル全体で成績を判断します。
ただし、動画を複数アップする前提です。1本だけ作る場合、KPIとしては厳しいでしょう。
逆に視聴回数は、動画1本の時もチャンネル全体での評価も、KPIとしては可能です。
ここでは、広告は別で考えてください。チャンネルがある場合は、データを見て判断できます。
チャンネルの場合
これは、自社チャンネルの過去90日間のデータです。
動画を6本アップし、チャンネル登録者が270人ぐらいいるというデータです。
この場合は、次の90日間も動画を6本アップすると、約260人登録者が増えるという仮説が立ちます。
視聴回数も同じです。
過去90日で7万回再生されていますので、次の90日でも動画を6本アップすると、大体7万回稼げるという仮説が立ちますよね。
複数の動画をある期間でアップロードする時は、こういった考え方でKPIの設定をしてみてください。
動画単体の場合
続いて、動画1本でのKPIの取り方です。
これは、GoPro Hero9の初心者向けの設定動画です。視聴回数が大体4,300回と出ています。
この場合、GoPro Hero9の設定関係の動画であれば、同じく90日間で4,300回ぐらい再生される、という仮説が立ちますよね。
さらに、この動画を分析し「こうすると視聴者が見てくれるんじゃないか」という仮説が立てられる場合は、5,000や6,000回に設定をしても良いでしょう。
右側にある「外部」や「YouTube検索」という部分にも注目しましょう。
外部が54%で、YouTube検索が28%です。外部というのは、このサイトに掲載しているデータです。
この外部が稼げないと、YouTubeのみだと2,000回ぐらいになってしまいます。外部で掲載する場所を増やすと、当然視聴回数も増えます。
この動画はSNSであまり展開していません。SNSの力を借りれば、5,000回以上の再生を見込めます。
基準として、ある期間で関連する動画がどれぐらい再生されたかどうかで、KPIの設定をすると良いでしょう。
チャンネルがない場合は、以下の手順で設定します。
- 他のチャンネルから、作りたい動画に似ている企画が近いものを調べる。
- タイトルに理想のキーワードが使われている場合は、その動画やチャンネルを参考にする。
動画が必要な時期
こちらに関しての悩みポイントは、スケジューリングしづらい点でしょう。
主に、スケジューリングが不透明になるのは、企画面で物品調達の目処が立たないところです。
これは確定してからスケジューリングを出す必要があります。
撮影に関しては天候ですね。
例えば、5月の下旬から6月にかけては梅雨のシーズンに突入するため、雨が降ったら撮影予備日の設定が必要です。その場合、当然1・2週間の余裕を取ることになります。
物品調達、撮影の天候を加味して撮影時期を決める方が良いでしょう。
一般的には、商品撮影企画から納品まで含めて、大体60日から90日で終わることが多いです。
動画の長さ
こちらに関しては、先ほどお見せしたファネルが再登場します。
先述のように、認知層に見せる場合は、知らない人に知ってもらうことだけがアプローチになります。そのため、認知層に対する動画の長さは短くなります。
比較検討の層に関しては、お客様の迷っているポイントに訴求する内容のため、場合によっては長くなります。
YouTubeの動画広告だと、6秒のインプレッション(認知層)向けのものがあります。
比較検討動画に関しては、長くても問題ありません。
このあたりのバランスをどう取るかは、ファネルに合わせてください。
CM的な動画なら、認知層・興味関心層に見せたい時は短めに、比較検討層に見せたいときは、長めに設定しましょう。
比較検討層向けの動画の長さは、PRしたい内容を原稿化して読み上げた時間を、仮で出してください。
その尺プラス10~20%ぐらいの時間を出しておけば、大きいずれはないでしょう。
視聴対象
視聴対象は、2つのことが言えます。
- 対象の人物像(年齢・性別)
- 心理状態
例えば、ひげそりを購入するのは、多くは40代前後の男性になるでしょう。
その男性の40代の中でも、「ひげが濃い」とか「肌が弱い」というお悩みがあると思います。
年齢、性別、心理状態は、視聴対象の属性になります。このセットを覚えておきましょう。
動画の使い方
用途としては、ほぼ間違いなく活用されるパターンが、YouTubeへのアップロードです。これは鉄板ですね。
予算と人的リソースに影響しますが、人の余裕がある場合はTwitter、Instagram、FacebookなどのSNSで定期的に動画をアップロードして拡散する方法がおすすめです。
お金に余裕がある場合は、Facebookやgoogle広告で動画広告を展開する方法になります。
- YouTubeへのアップロード
- SNSで定期的に動画をアップロード
- 動画広告を展開する
動画の使い方として、かけられるお金と人数でご判断ください。
撮影時に必要な素材・商品
備品が必要な場合は、物品調達部門などに申請する必要が出てきます。
撮影で必要な物品の個数とタイミングを明記して、関係部門に渡す必要があるため、こちらの書類が別途必要になるでしょう。
企画書にも盛り込むと、先方さんにも分かりやすいです。ぜひ申請タイミングと納品場所を記述し、店舗さんに渡してあげてください。
スタジオ・撮影場所
最近では、社内で撮影することもありますが、ライブスタジオを活用する場合は、撮影場所の住所と予約(仮予約)の有無の情報も必要になります。
最近はウェブで予約できるため、決済ができたら予約完了となりますが、仮予約ができるならしても良いでしょう。こちらはスタジオの対応によりますので、前もってチェックすることをおすすめします。
出演者・協力者
社内の協力者に関しては、比較的ハードルが低いでしょう。
外部協力者が必要な場合は、下記などを必ず確認します。
- 出演が可能かどうか
- ギャラの問題
- 拘束時間
移動の手配や1日拘束の場合は、食事の手配なども考える必要があります。
改めて協力者に対して、必要な措置をとっているか確認し、あるいは協力者の出演リストを掲載すると良いでしょう。
動画作成にかかる予算と工数
撮影の予算
動画広告の場合、商品紹介も同様に自社で撮影されるなら、予算は基本的にかからないでしょう。
撮影備品は、消耗品代として3万円ぐらいを計上しておき、備品が発生した際にその予算を予備費として使います。制作費に関しては、基本的に自分たちで作るのが前提のため、備品代という形で良いでしょう。
広告費も別計上です。制作費と広告費を全体にすると混乱するため、別々に計上します。
外注さんにお願いする場合は、制作会社さんへの予算を明確に書いておいた方が良いです。
撮影工数
実質企画1日(シナリオ制作も含める)、撮影1日、編集2日ぐらいです。
あとは決済に必要な期間も調査の期間も含めます。
ナレーションを収録する場合は、日程を調整する必要があります。
ナレーションの予約は、1・2週間空いていない場合もあり得ます。そこを含めて工数の計算をしましょう。
工数が確定したらスケジュールが出ますから、そのタイミングで「動画が必要な時期」でお伝えしたところを埋めていくと良いでしょう。
まとめ
以上、動画制作の企画書の作り方を、商品紹介動画と動画広告を対象にお話しました。
是非とも企画書をダウンロードし、この記事を見ながら企画書を作りましょう。